サラ文庫
貸本時代の鬼太郎です。少年がわくわくする怪奇物語。現代の漫画が失った魅力がたくさん詰まっていました。
初期の鬼太郎は不良少年。煙草も吸います。潰れた片目を髪で隠していません。潰れた目が右左と入れ替わったりしています(笑)
水木しげるさんはトキワ荘の漫画家らとは違いインディーズです。絵柄も漫画の作法も自己流、だけど無茶苦茶に面白い。話しによれば、手塚治虫は「墓場鬼太郎」を初めて見た時に、衝撃のあまり自宅の階段から転げ落ちてしまったそうです。
また手塚の息子が幼少の時に自分の作品より「ゲゲゲの鬼太郎」が好きだったとかで、水木しげるに本当に嫉妬していたそうです。
水木しげるは、(一方的だが)ライバル心をむき出しにする手塚治虫を漫画に描いています。「漫画の神様も嫉妬した漫画家」ですね。
【収録作品】
●墓場鬼太郎の誕生
●おかしな奴
●ないしょの話
●ぼくは新入生
●アホな男
●怪奇一番勝負
●地獄の片道切符
※今年の漫画読書 4 作品目