金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

家族ゲーム

家族ゲーム        1983年

森田芳光監督

物語

高校受験を控えた息子のために雇った、ちょっと風変わりな家庭教師が、平穏だった一家に波紋を巻き起こす。

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1981年の第5回すばる文学賞を受賞した本間洋平の小説が原作。森田芳光監督はこの映画でキネマ旬報ベストテン1位など同年の主要映画賞を多く受賞し、一躍、新世代の鬼才として注目を集めた。

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松田勇作、伊丹十三由紀さおりという個性的な俳優さん、それから茂之役の宮川一朗太。彼はこの作品でデビューしたのですね。ちょっとイケてない感じが、中学生らしくて親近感が湧きます。

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ストーリーは淡々としているが、情感のある風景、家族が向き合っていないことを象徴する一列に並んだ食卓など映像で多く語る。

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1980年に起きた「金属バット両親殺害事件」。20才の浪人生が金属バットで両親を殴り殺した事件は社会に強い衝撃を与えました。この事件を知らないと、映画のタイトルも意味不明なラストもいまいち理解できないかもしれません。家庭や教育のあり方について社会の問題意識が高まっていた頃…そんな時代を映し出した名作だと思います。

※今年151本目の映画鑑賞。