少女の髪どめ 2001年
マジッド・マジディ監督
物語
17歳の若者ラティフは、建設現場のお茶くみ作業員。ある日、負傷した先輩作業員の代わりに、その息子の少年ラーマトが働くことに。だがラティフは偶然から、ラーマトがじつは女の子であることを知ってしまう。
前日に続きマジッド・マジディ監督。マジディ監督は1997年の「運動靴と赤い金魚」、1999年の「太陽は、ぼくの瞳」、2001年の本作「少女の髪どめ」と三度モントリオール世界映画祭グランプリを受賞している。
貧しいイラン人の少年とアフガン難民の少女の淡い恋心を描いた物語。イスラム教の戒律で女性は公の場に出ることが禁じられているため少女は男装して働いていた。
お茶汲みの仕事をラマートに奪われたラティフはラーマトを邪険に扱うのだが、ラーマト少女であることを知り、彼女の健気さに恋をする。
ラティフを演じるホセイン・アベディニの演技は迫力があっていいな。ラマート(バラン)を演じるザーラ・バーラミは控え目な演技だが存在感があった。
恋愛ドラマだが、困窮するアフガン難民など社会的な問題も描く秀作。シーンの一つ一つが詩的で主人公の思いが迫ってくる。イランにも素晴らしい映画があるんだな。
※今年203本目の映画鑑賞。