こころの湯 1999年
チャン・ヤン監督
物語
父が下町で営む銭湯を継がずに都会で働くターミンは、知的障害のある弟アミンから父が横たわる絵の描かれた葉書を受け取り、もしや父が倒れたのではと帰郷する。幸い父に変わりはなかったが、アミンが迷子になるなどの“事件”が続き、ターミンはしばらく銭湯を手伝うことに。毎日来るお客さんの幸せそうな顔を見ているうちに、この仕事を愛する父を理解し始めたターミン。だがそんな矢先、地域の再開発のため銭湯の取り壊しが決まってしまう。
チャン・ヤン監督の2作目(1999年制作)の作品。サン・セバスティアン国際映画祭の最優秀監督賞を受賞。
この監督の作品「胡同(フートン)のひまわり」は以前、観ていました。
中国の銭湯を初めて知りました。コオロギ相撲はありませんが、どこか日本の銭湯の景色にも似ているのが興味深いです。
父親役の朱旭さん。中国を代表する名優。(ドラマ「大地の子」で義父役を演じていた方。)
自身に耳の不自由な子どもがいて本作の脚本に惹かれて、安いギャラでもいいからと本作に出演したそうです。
知的障害のある弟のアミン。演じた姜武(Jiang Wu)は障害者の役を演じるために養護施設なども回っています。
年老いた父と障害を持つ弟。遠く深圳でビジネスマンとして働いていた兄ターミンが帰郷し家族の問題に向き合うドラマですが、近代化で失われていく古い生活様式や人情が作品のもう一つのテーマになっています。いい映画でした。👍
※今年5本目の映画鑑賞。