金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

東周英雄伝

東周英雄伝     鄭問

 中国、春秋戦国時代を材に取った作品。

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鄭問(チェンウェン)は台湾の漫画家。
1990年からモーニング誌上で「東周英雄伝」の連載を開始し、日本デビューを飾る。筆のみを用いた圧倒的な画力と熱意に溢れたストーリー展開が好評となり、1991年の日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した。
※昨年3月に他界されていました。

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原泰久さんも当然参考にされたと思います。

秦六虎将の李信が、キングダムの信のモデルだそうです。李信は紀元前225年の楚攻略戦で、王翦が兵60万が必要としたところ、20万で足りると主張し、秦王は李信に楚侵攻を命じますが、結果、楚軍に大敗を喫し王翦と交代させられます。対楚戦の大敗後も将として出兵しており、秦王の信頼は厚かったようです。

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キングダム

キングダム       原泰久

中国の春秋戦国時代を舞台に、 大将軍を目指す少年・信と後の始皇帝となる秦王・ 政の活躍を中心に、戦乱の世を描く。

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累計発行部数3000万部の人気漫画・・・

気になっていたけど未読だったキングダム。既刊49巻(連載12年分)を読んだ。
最後まで飽きずに読めた。アクションに頁を割いているので物語の進みは遅いが、単行本だからテンポ良く読めたかもしれない。フィクションと史実のバランスが上手い。
史実に忠実すぎても面白くないし、あまり史実から離れるとファンタジーになってしまう。なかなかの名作。

 

勝手にキングダム名シーン

①王騎の絶命シーン

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王騎以降が寂しい感じがした。力石徹ラオウに並ぶ存在感。

 ②蕞の攻城戦

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政が自ら蕞に赴き民衆に激を飛ばすシーン
フィクションだが良い筋書きだなと感心。歴史ロマンな展開。

③尾平の飛信隊への思い 

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なんだろう、この懐かしさは?

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マンモス西を思い出したよ。

 

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キングダムまだ先が楽しみですが、このペースだと、あと10年くらい連載続きそう。笑

 

漫画  今年1作品目 (49冊)/年間目標12作品

休憩 : アメコミ映画ブームについて考える

バードマンで皮肉られたようにアメコミ・スーパーヒーローものがハリウッドを席巻している。アメコミ・ヒーロー映画について考えてみたい。

スーパーマン     1978年

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現在のアメコミ映画は1978年のスーパーマンから始まっていると思っている。スーパーマンは、それ以前から映画化されているが、特撮技術の進歩でリアリティのある映像が出来るようになった。ジョン・ウィリアムズの勇壮な音楽で、スーパーマンが空を飛ぶシーンは印象的だった。

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主演のクリストファー・リーブさんは歴代スーパーマンでも一番の容姿だと思っている。

 バットマン          1989年 f:id:tomo2200:20180212081608j:image

スパイダーマン  2002年

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死霊のはらわた」のサム・ライミが監督。 摩天楼アクションが素晴らしかった。コミックでは表現できないスピード感!

  X-MEN     2000年

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日本では馴染みのなかったX-MENが映画で登場。世界ではドラゴンボールより売れているコミックだ。突然変異で特殊能力を持ったミュータント達は人間としての悩みを抱えたヒーローでシリアスなストーリーが多い。

 

 ハルク     2003年

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金獅子賞監督のアン・リーが何故ハルク? ドラマが長すぎてテンポが悪いと言われている。

 ファンタスティック4     2005年

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宇宙線を浴びて超能力を身につけた4人のヒーロー。

 アイアンマン     2008年

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戦闘スーツで闘う富豪ヒーロー。

アメリカの二大コミック、DC社とマーベル社があるが、「アイアンマン」はマーベル社が制作した映画の第一弾となる。

マーベル・シネマティック・ユニバースというコンセプトで、この後、「インクレディブル・ハルク」「キャプテン・アメリカ」「マイティ・ソー」などを次々と映画化。さらにヒーロー勢揃いのアベンジャー・シリーズを展開、空前のアメコミ映画ブームを作る。

 アベンジャーズ  2012年 

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アベンジャーズは大ヒット。シリーズ化されている。

2018年 4月にはアベンジャーズ インフィニティ・ウォーが公開予定されている。

アベンジャーズ”のメンバーに加え、スパイダーマンドクター・ストレンジ、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のチームなどが新たに加わり、総勢60人以上のヒーローが登場すると言われている。

ちなみにアベンジャーズにスーパーマンバットマンは入れません。マーベル社のライバルDC社のキャラだからです。

またスパイダーマン、Xメン、ファンタスティック4もマーベル社のキャラですが実写映画化の版権を他社に売っているため共演が出来ませんでした。

スパイダーマンソニー・ピクチャーズと調整がされて、2016年キャプテン・アメリカ/シビル・ウォーから登場しています。)

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最後、アメコミ映画ブームについて考える。

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日本のヒーローは「社会の平和」と「ちびっ子」を守るお兄さん的な存在。

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それに対して、アメリカのヒーローは、自由、正義、民主主義を守る存在。

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ヒーローはマイナリティやアウトロー、異形の持主だったり、

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隠れて活動するアノニマスなヒーローも多い。

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そう、彼らはアメリカのために闘う頼もしい民兵のイメージなんです。コミックヒーローですがアメリカ文化に根ざした存在だと思います。 

現在、アメコミ映画が流行しているのは、マーベル社のマーケティングの成功だけでなく、変質しつつあるアメリカ社会が彼ら民兵を必要としているからではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 

 

バットマン

 バットマン      1989年

 物語

犯罪者が蔓延る大都市、ゴッサム・シティ。正義感に溢れる新任検事を迎え入れて犯罪の撲滅を図るが成果は中々上がらない。一方で、近頃になって犯罪者たちの間には、仲間が次々とコウモリ男に襲われたという噂が流れていた。

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ビートルジュース」をヒットさせたティム・バートン監督が作ったバットマンティム・バートン監督の独特な世界観がバットマンのダークヒーローのイメージとマッチしていた。

 

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マイケル・キートン演じるブルース・ウェインは幼少の頃に眼前で強盗に殺害され、以来、犯罪者への復讐心から、バットマンに変装して犯罪者と闘うようになる。

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マフィアのジャックはバットマンとの闘いで化学薬品の液槽に落ちてしまいトランプのジョーカーのような顔になってしまう。そのショックから精神に異常を来たし、サイコな悪人ジョーカーとなる。

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ジョーカー役にアカデミー賞受賞男優のジャック・ニコルソンを使う破格のキャスト。ジャック・ニコルソンに払うお金がなく興行収入から一定の額を受け取ることのできる契約としたが、映画の想定外の大ヒットで、ジャック・ニコルソンは最終的に6000万ドルの報酬を得た。

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ブルース・ウェインの恋人ヴィッキー・ヴェール役は「ナインハーフ」で人気になったキム・ベーシンガー。

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音楽にプリンスを使い話題になった。

 

映画は大ヒットしシリーズ化。ティム・バートン監督とマイケル・キートン主演による「バットマン・リターンズ」も作られた。

三作目からは監督、主演を替えてシリーズは現在も続いている。

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バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)

バードマン あるいは
(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督

 

物語

かつてヒーロー映画『バードマン』で一世を風靡した俳優リーガン・トムソンは、落ちぶれた今、自分が脚色を手掛けた舞台「愛について語るときに我々の語ること」に再起を懸けていた。

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 2015年度のアカデミー賞主要4部門(作品賞・監督賞・脚本賞・撮影賞)受賞作。

 

撮影賞

まず全編のほとんどがワンカットのように撮影されているのは素直に驚いた。チャレンジングな撮影に感心してしまう。撮影監督のエマニュエル・ルベツキゼロ・グラビティに続いての受賞。

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撮影監督エマニュエル・ルベツキ

 

脚本賞

現実と虚構、人生と舞台がシームレスに交錯する脚本が凝っていて面白い。現実なのか虚構なのか考えさせられる映画のラストは印象的。

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監督賞

メキシコ出身の新進気鋭の映画監督。イニャリトゥ監督。既に巨匠。

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受賞を逃しているが、作品中に使用されていたジャズドラムが効果的。

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作曲家のアントニオ・サンチェス。

 

主演のマイケル・キートンも主演男優賞を逃したが、追い込まれた俳優の狂気を熱演していた。バットマンを演じていたマイケル・キートンだから、この役に完全にハマり。

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マイケル・キートン

 

作品賞

ノミネート作品では「6才のボクが、大人になるまで。」とか「アメリカン・スナイパー」など有力作品があったが、本作品が受賞作になった。

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興行収入では全米45億円程と振るわなかった。ちなみに、この年(2014年)の興行収入No.1はトランスフォーマー。売れる映画=いい映画ではないが、ビミョーな受賞だなと思う。

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※今年18本目の映画鑑賞。

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴールデンライラック

ゴールデンライラック     萩尾望都

物語

ライラックの茂みの中で始まった、ヴィーとビリーの幼い恋。しかし幸福は不意に終りを告げ、第1次対戦の暗い渦が時代を覆う。失意の日々、見上げる空には希望のありかをさししめすかのように、いつも飛行機が高く飛んでいた……。

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萩尾望都さんの漫画って、漫画の枠を超えた文学性があってガツンと来ます。

この作品も純愛がテーマですが、2人の恋は結ばれません。ちょっと哀しい物語です。でもビリーの純愛に心打たれました。

 

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 短編ですが傑作。忘れられない感動作品。

 

 

 

 

 

 

101回目のプロポーズ

101回目のプロポーズ    

物語

3年前、結婚式の当日に事故死した元婚約者のことが忘れられないヒロインと、100回お見合いに失敗した純愛男との間で揺れるヒロインを描いた作品。

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1991年に放映、 武田鉄矢さんと浅野温子さんが主演のトレンディドラマ。(昭和のトレンディは今見るとレトロだけど。)

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「僕は死にましぇん!あなたが好きだから!」
が流行語になった。

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このドラマで元カレそっくりな男が現れヒロインの心が揺れるのだが、冬のソナタみたいです。時代的には101回目のプロポーズの方が先ですけどね。

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このドラマの一番いいところは、紆余曲折あっても最後はハッピーエンドになるところ。純愛っていいな〜みたいな。

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あとチャゲアスの SAY YES が良かった。