金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

Ray レイ

Ray レイ                 2004年

テイラー・ハックフォード監督

物語

2004年に亡くなったミュージシャン、レイ・ チャールズの伝記映画。

f:id:tomo2200:20181010184038j:image

レイ・チャールズを演じたジェイミー・フォックスの成り切りぶりがハンパない。なんせ本人公認だそうです。

f:id:tomo2200:20181010195822j:image

f:id:tomo2200:20181010195741j:image

レイ・チャールズという「人物」についてあまり知らなかったが、ドラッグに溺れ、浮気しまくりで、ろくでもない奴だったんですね。誰かのブログで「この映画を観てレイ・チャールズが嫌いになりました」とか書いてあったけど納得。

人物はさておき、ミュージシャンとしての彼がいかに天才だったかも理解できます。この映画を観て、レイ・チャールズの音楽が一層好きになりました。

※今年195本目の映画観賞

 

モロッコ

ロッコ                  1930年

ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督

物語

 外人部隊に属するトム・ブラウンは女たらしで有名である。次々に女を変えていたトムだが、ある日駐在しているモロッコの酒場で、アミー・ジョリーという名の歌手に出会い、恋に落ちる。しかし、セザール副官が妻とトムの関係を知ったことから懲罰の意味でトムは最前線に送られることになる。

別れを告げるためにアミーの前に現れたトムだったが、金持ちのベシエールが彼女に求婚していることを知り、彼女の幸せのためにとその場を後にするのだが…

f:id:tomo2200:20181008134117j:image

f:id:tomo2200:20181008121609j:image

f:id:tomo2200:20181008121629j:image

f:id:tomo2200:20181008120512j:image

ベノ・ヴィグニーの舞台劇『Amy Jolly』が原作、ジョセフ・フォン・スタンバーグ監督とマレーネ・ディートリヒが組んだ映画。

この映画は、日本で初めて字幕がついた映画です。それまでは外国映画は弁士がついて説明していたそうです。

f:id:tomo2200:20181008124654j:image

フランス植民地時代のモロッコは、欧州人には最果ての地のような感じです。そんな最果ての地へ渡る訳ありげな美人歌手、傭兵として生きる兵士、植民地ビジネスで成功した富豪の三角関係。

イスラム文化の異国情緒溢れるモロッコを舞台にした男と女の物語。シンプルだけど雰囲気があってワクワクするね。ラストシーンが圧巻で感動した。

※今年194本目の映画観賞

 

 

 

 

 

 

 

アーティスト

アーティスト              2011年

ミシェル・アザナヴィシウス監督

物語

1927年のハリウッドで、サイレント映画のスターとして君臨していたジョージ・ヴァレンティンは、新作の舞台あいさつで新人女優ペピーと出会う。その後オーディションを経て、ジョージの何げないアドバイスをきっかけにヒロインを務めるほどになったペピーは、トーキー映画のスターへと駆け上がる。一方ジョージは、かたくなにサイレントにこだわっていたが、自身の監督・主演作がヒットせず……

f:id:tomo2200:20181007113007j:image

第84回アカデミー賞作品。。1927年から1932年までのハリウッドを舞台とし、モノクロ、サイレントで製作された映画。3D映画の時代にサイレント映画アカデミー賞を獲得するのだから凄い。

f:id:tomo2200:20181007111642j:image

f:id:tomo2200:20181007111646j:image

f:id:tomo2200:20181007111456j:image

レトロですが、今の時代にサイレント映画の演出は斬新で面白かった。ストーリーは、落ちぶれるサイレント映画の大スターと、トーキー映画のスターに駆け上がるヒロインのロマンス。シンプルながらロマンチックで素敵な物語でした。

※今年193本目の映画観賞

 

 

 

ノーカントリー

ノーカントリー            2007年

監督 コーエン兄弟

物語

狩りをしていたルウェリンは、死体の山に囲まれた大量のヘロインと200万ドルの大金を発見する。危険なにおいを感じ取りながらも金を持ち去った彼は、謎の殺し屋シガーに追われることになる。事態を察知した保安官ベルは、2人の行方を追い始めるが……

f:id:tomo2200:20181004152748j:image

f:id:tomo2200:20181004173423j:image

第80回アカデミー賞で作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞を獲得。原作はピュリッツァー賞作家コーマック・マッカーシーの「血と暴力の国」

f:id:tomo2200:20181004173406j:image

f:id:tomo2200:20181005193921j:image

殺し屋のアントン・シガーのサイコぶりがなかなかいい。家畜屠殺用のエアガンとか得物もユニークで面白い。ルウェリン・モスを追うアントン・シガーの追跡劇はスリリングで面白かった。

f:id:tomo2200:20181004231856j:image

中盤から後半は難解。ベル保安官が事件に対峙するが、圧倒的な悪の前に全く力ない。

f:id:tomo2200:20181004231756j:image

最後はベル保安官が見た二つの夢の話で終わる。夢の意味は観る者の解釈に委ねられます。

f:id:tomo2200:20181004233548j:image

スッキリしない結末。テーマも解り難い。映画的にはいまいちな感じがするが、この割り切れなさこそがアメリカの苦悩なのかもしれない。

※今年192本目の映画観賞

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プロヴァンスの休日

プロヴァンスの休日         2014年

ローズ・ボッシュ監督

物語

美しい自然の広がるプロバンスで暮らすポールのもとに、娘との仲違いが原因でこれまで一度も会ったことのない3人の孫たちが訪ねてくる。気難しいポールは都会っ子の孫たちと反発しあうが、耳に障害を持つ末っ子テオを中心に少しずつ心を通わせていく。

f:id:tomo2200:20181002223416j:image

夏休みに祖父の家に預けられて田舎で生活することになった三兄妹の話。プロヴァンスでのバカンスなんて羨ましい限りですが、パリ育ちの子供たちには単なるド田舎なんですね。

f:id:tomo2200:20181004024832j:image

f:id:tomo2200:20181004135804j:image

スローライフプロヴァンス。映画も緩い展開が続きますが、最後の方は少し事件があったりして、ジャン・レノが活躍します。

f:id:tomo2200:20181004140336j:image

プロヴァンスの美しい景色や当地の牛追い祭なども紹介されて癒し感のある映画。素敵な夏休み映画でした。(もう秋ですが…)

※今年191本目の映画観賞

 

居酒屋

居酒屋                     1956年

ルネ・クレマン監督

物語

 19世紀なかばのパリ。内縁の夫に裏切られた洗濯屋のジェルヴェーズは、実直な屋根職人クポーと結婚。しかし、彼は事故で大怪我を負って以来酒浸りとなり、彼女の前夫を同居させてしまう…

f:id:tomo2200:20181001235804j:image

フランスの文豪エミール・ゾラの同名原作を「禁じられた遊び」「太陽がいっぱい」のルネ・クレマン監督が映画化した作品。

f:id:tomo2200:20181002000810j:image

f:id:tomo2200:20181002014915j:image

f:id:tomo2200:20181002020347j:image 

 ジェルヴェーズの薄幸な半生を描いた作品で、(フランス自然主義文学におけるリアリズムとやら)分かり易いメッセージもないし、救いのない話でした。

ストーリー自体は悲惨だけれども、ジェルヴェーズに焦点を当て彼女の人生やロマンス、19世紀のフランスの労働者階級の生活を活き活きと描写され映画としての出来栄えは見事です。巨匠ルネ・クレマン監督ならではの作品でした。

f:id:tomo2200:20181002015245j:image

※今年190本目の映画観賞

 

 

別離

別離                              1939年

グレゴリー・ラトフ監督

物語

スウェーデンの名バイオリニスト・ホルガーの娘にピアノを教えるピアニストのアニタはホルガーから熱烈に求愛され彼の演奏旅行に同行する。だが妻子を思うホルガーや自分の将来を考え男の元から去っていく。

f:id:tomo2200:20181001190200j:image

f:id:tomo2200:20181001190545j:image

1936年のスウェーデン映画「間奏曲」のハリウッド版リメイクであり、イングリッド・バーグマンアメリカ映画初出演作品。

f:id:tomo2200:20181001190829j:image

f:id:tomo2200:20181001193854j:image

f:id:tomo2200:20181001190848j:image

バイオリニストとピアニスト。音楽家の不倫愛です。最後は、アニタが「自分は彼にとっての間奏曲にすぎないのだ」と悟り身を引きます。

話はそれだけです… しかし、1939年に不倫を描くのは挑戦的だったと思います。(元祖・不倫映画?)

可愛い娘を捨ててまで溺れる不倫愛、完全に息の合った演奏で比喩する二人の関係とか、不倫の背徳感や非日常的なロマンチシズムが漂っています。イングリッド・バーグマンの美しさとともに不朽の名作として残るのではないでしょうか。

f:id:tomo2200:20181001193958j:image

※今年189本目の映画観賞