金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb  2012年

伊藤匡史監督

物語

ベテラン詐欺師のタケと、どこかマヌケな相棒のテツ。ある日、ひょんなことから、まひろという少女と知り合ったのをきっかけに、二人は彼女と姉のやひろ、その恋人の貫太郎と共同生活を送るハメになってしまう。全員が不幸な生い立ちを背負っていたこともあり、彼らは次第に奇妙な絆を育んでいく。そんな中、タケが過去に自分が引き起こした事件が深く関わった大勝負に挑むことになる。テツやまひろたちも一致団結し、一大詐欺作戦が動き出すが……

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直木賞に輝いた作家、道尾秀介の小説を実写化。タイトルの「カラス」とは「詐欺師」を意味する。

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主演は阿部寛村上ショージ阿部寛はいい俳優ですね、映画が締まります。村上ショージは意外ながら役に合っていました。ナイスなキャスティング。

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ヒロイン姉妹は、石原さとみ能年玲奈

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能年玲奈はまだ新人。「あまちゃん」でブレイクする前ですが凄い存在感。

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痛快なコンゲームを期待すると肩透かしを食った気分になるかも。”トリック”のあるミステリー作品です。

ストーリーも面白いが、なにより阿部寛らの好演が印象的でした。

※今年36本目の映画鑑賞。

WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~

WOOD JOB!~神去なあなあ日常~   2014年

矢口史靖監督

物語

大学受験に失敗し高校卒業後の進路も決まっていない勇気は、軽い気持ちで1年間の林業研修プログラムに参加することに。向かった先は、携帯電話が圏外になるほどの山奥のド田舎。粗野な先輩ヨキのしごき、虫やヘビの出現、過酷な林業の現場に耐え切れず、逃げようとする勇気だったが……

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三浦しをんの小説「神去なあなあ日常」を映画化した青春ドラマ。主演は、染谷将太長澤まさみ伊藤英明。ロケ地は三重県美杉町。

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林業を舞台とした映画です。都会で育った若者が、携帯も通じない山村に行き、村の人々と交流や様々な経験を通して成長する話です。

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長澤まさみが可愛いかったが、恋愛ドラマとしては物足りないかな。もっとドキドキするシーンがあっても良かったと思う。

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波乱の少ないドラマですが、コミカルなタッチで退屈はしない。原作ありの作品ですが、矢口監督らしさは十分に出ていたと思います。

※今年35本目の映画鑑賞。

華氏119

華氏119                         2018年

マイケル・ムーア監督

内容

「119」はドナルド・トランプが第45代大統領が当選を確実とし勝利宣言をした「2016年11月9日」を意味している。アメリカの特殊な選挙制度や現在の経済状況、トランプを当選させたアメリカ社会に対し鋭く切り込んだドキュメンタリー作品。

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トランプ大統領を戦前のドイツのヒトラーの台頭に重ねて批判しているが、トランプ政権を誕生させた民主党政権の保守化も厳しく批判していて、頼りにならない議員をよそに、立ちあがる学生や女性などが紹介されていた。

共和党民主党も批判したせいか、興行的には振るわなかったみたいですね。

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アメリカは不平等で不公平な社会ですね。人種や宗教の問題もあって複雑で根深い。大統領選挙は「天下分け目の戦」ですかね。

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日本はなんだかんだ言って均質な社会、社会の分断や対立はアメリカほど深刻ではない。まあ幸せな国とも言えますが、その分、ダイナミックな変化が起きにくいのかもしれませんね。

※今年34本目の映画鑑賞。

 

キューポラのある街

キューポラのある街     1962年

浦山桐郎監督 

物語

中学3年の石黒ジュンは、鋳物工場の直立炉キューポラが立ち並ぶ埼玉県川口市の鋳物職人の長女。何事にも前向きで、高校進学を目指すジュンだが、父・辰五郎が工場を解雇されたため家計は苦しく、修学旅行に行くことも諦めていた… 

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早船ちよの小説が原作。「キューポラ」は、鋳物を造るために鉄を溶かす小型溶銑炉のことです。思春期の少女ジュンが、父の解雇に始まり、貧困、進学、組合、差別など、さまざまな社会問題に直面する社会派青春映画。

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1962年、戦後から高度成長に向かい発展していく日本。産業のオートメ化が進み、ジュンの父の辰五郎は、近代化に遅れ経営不振となった鋳物工場をリストラされる。。

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辰五郎は叩き上げの鋳物職人で、組合をアカと呼んで組合からの援助を断りますが、収入を断たれて生計が立たない状況になります。

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長女のジュンは高校進学の夢を持っていますが、経済的な不安が影を落とします。ジュンはアルバイトをしながら勉強を続けます。

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戦前生まれの両親に対して、戦後世代の若者の夢や希望を爽やかに描いた作品です。吉永小百合さん(当時18才)の演技が素晴らしかった。

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映画では朝鮮人家族との交流も描かれています。祖国建設の希望を抱いて北朝鮮へ帰る家族。(その後の歴史を知っているので気の毒ですが)当時の状況が伝わります。

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久しぶりの映画鑑賞。時代を捉えたいい映画でした。どっかのレビューでこの映画を共産思想のプロパガンダ映画と評していましたが、映画を見る目がないね。日本映画史に残る名作です。

※今年33本目の映画鑑賞。

雑記 : ニュー・ノーマルな日々

2ヶ月ぶりの投稿になります。

コロナ収束はままならず、職場でもPCR検査を受ける人がちらほら。(検査能力が増えて以前よりPCR検査を受け易くなったみたいです。)

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最近の状況は、4月の非常事態宣言を出した頃と変わらないですが、休業補償を続ける財源がないのでしょう、政府は再度、非常事態宣言を出すことに慎重なようですね。

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「ウィズ コロナ」とか言っても、コロナと仲良く暮らせる訳ではありませんが、「新しい日常」は受け入れざる得ないです。

世の中も変わりましたね。

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夏のマスク… 

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ビニールカーテン…

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テレワーク…

僕もテレワークしています。通勤の苦痛から解放されますが、ビミョーにテレワーク鬱もありますね。

コロナが収束しても在宅勤務を続けようという会社が多いそうです。危機は進歩のチャンスかもしれません。

おしまい。

雑記 : アマビエ 登場

くまモン、ふっなしー、ひこにゃん

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ゆるキャラ 三大スターを脅かす新星登場。

その名はアマビエ!

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伝説の妖怪、半魚人のアマビエ。江戸時代の瓦版に描かれイラストがオリジナル。なんか愛嬌ありますね。

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アマビエの姿を写し書きすると疫病を鎮める御利益があるそうで、コロナ終息を願ったアマビエグッズが続々と出ています。

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どら焼き

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金太郎飴

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Tシャツ (スタバみたい)

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南部鉄器

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白河だるま

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地上絵まで登場。

いやいや、凄い人気です。

 

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厚生労働省のコロナ感染防止の啓発キャラに採用。もう政府公認キャラです。

 

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他にやるべきことあるでしょ💢

おしまい。

若草物語

若草物語                      1949年

マービン・ルロイ監督

物語

 南北戦争時代のマサチューセッツ州コンコードの町に住むマーチ一家の母と4人の姉妹。信仰深くおだやかな長女メグ、活発で作家志望の次女ジョー、はにかみやで音楽ずきな三女ベス、おしゃまで絵が上手なエーミー。従軍牧師として戦場に出かけた父の留守中、それぞれ性格の異なる姉妹たちが、やさしい母を中心に、喜びも悲しみも共にわかち合い成長していく。

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ルイザ・メイ・オルコットの自伝的要素を持つ不朽の名作小説、その二度目の映画化作品で初のカラー作品。主演は本作やグレン・ミラー物語で知られたジューン・アリソン、四姉妹の一人エイミー役にエリザベス・テイラーが出演している。

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子供向け(少女向け)の物語と思っていましたが、作家を志望し結婚より自立を選択するジョーの悩み、妹ベスの早逝など、なかなか深い作品でした。

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MGM社創立25周年記念作品として製作されだけあって抜かりない映画です。子供はもちろん大人が見ても楽しめます。いい映画でした。

(余談)

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ベスは”しょうこう熱”に罹り亡くなってしまいます。現代では治る病です。今、世界中がコロナに恐怖していますが、19世紀には死に至る病気がたくさんあったのですね。この時代の人から見たら騒ぎ過ぎなのかもしれません。

※今年32本目の映画鑑賞。