金魚のうたた寝

映画、漫画、小説などの話

雑記 : 今年観た映画ベスト10【邦画】

今年観た映画のマイベスト10【邦画】

勿体ぶらずに1位から紹介!

1.ビルマの竪琴 (1956年版)

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市川崑監督作品。戦争の記憶がまだ風化していない時期に作られたせいか芝居にも痛々しさがある。戦地の山河に散らばる同胞の屍を目の当たりにし祖国に帰れなくなった水島上等兵の気持ち、物語はフィクションですが、リアリティを感じました。

2.幸福の黄色いハンカチ

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山田洋次監督作品。刑期を終えた男が妻のもとへ帰るロードムービーの人情劇。主演の高倉健、共演の倍賞千恵子武田鉄矢桃井かおりらの個性が光る作品。ラストの黄色いハンカチが美しく、観終わった後に幸せな気持ちになる最高の人情劇でした。

3.豚と軍艦

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今村昌平監督作品。横須賀のチンピラとその恋人の儚い青春を描いた作品。スカジャンの長門裕之が印象に強く残る。スコセッシが学生時代にこれを見て衝撃を受けたと語っていますが、ラストの破壊力は「タクシードライバー」にも通じるような気がします。

4.狂った果実

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石原裕次郎の初の主演作品。中平康監督のヌーヴェルヴァーグを先取りしたようなセンスが光る。太陽族など時代の雰囲気も映し出た貴重な作品でした。石原裕次郎津川雅彦岡田真澄らの若々しい容姿に驚き、北原三枝さんの美しさに感動。

5.一人息子

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小津安二郎監督の初のトーキー作品。一人息子を思う母親の気持ち、苦労をかけた母親に対する息子の気持ち。シンプルなストーリーながら泣かせます。戦前の作品ですが、既に小津安二郎監督のスタイルが確立しているのにも驚きました。もう一つの「東京物語」です。

6.ペコロスの母に会いに行く

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こちらも母と息子の物語ですが、舞台は現代。認知症の老いた母親とその息子が織り成す、笑いと涙にあふれた触れ合いをつづったドラマ。愛情の溢れた良作でした。赤木春恵さんの演技も素敵だった。

7.フラガール

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昭和40年代初頭に福島県いわき市の町興しとして作られた“常磐ハワイアンセンター”の誕生秘話を映画化した作品。丁寧な取材で作られた脚本も面白いですが、とにかく松雪泰子蒼井優の二人の女優の演技が最高でした。

8.仁義の墓場

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深作欣二監督作品。渡哲也がヤバい。ヘロインで恍惚になったり、遺骨を噛んだりと凄まじい演技でした。「実際ヤクザ路線の極北」と評される本作、見応えありました。

9.御法度

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大島監督の遺作。新撰組に入隊した美少年隊士をめぐって引き起こる愛憎劇を描いた異色時代劇。司馬遼太郎が原作で筋書きも面白い。松田龍平の妖しい美しさ、坂本龍一の音楽が印象的でした。

10.超高速!参勤交代

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土橋章宏の原作脚本の作品。幕府の陰謀で、たった5日以内に参勤交代せよとの無理難題を吹っ掛けられた貧乏小藩が、意地と知恵でこの危機に立ち向かう奇想天外なストーリー。とにかく面白かった。深田恭子も良かったな。

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邦画10本。日本にもたくさんの名画がありますね、実感。😊

おしまい

雑記 : 今年観た映画ベスト10【海外】

今年観た映画のマイベスト10【海外作品】

勿体ぶらずに1位から紹介!

1.桜桃の味

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アッバス・キアロスタミ監督がカンヌ映画祭パルム・ドールを獲得した作品。この映画は本当に神作品だな。自殺志願の男を主人公にして生きる意味を語る哲学的な映画。深く心に残る映画でした。

2.パピヨン

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アンリ・シャリエールの脱獄自伝小説をもとに名脚本家ダルトン・トランボが脚本を書いた。スティーブ・マックイーンダスティン・ホフマンという二人の名優が共演。傑作!

3.活きる

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中国の巨匠チャン・イーモウ監督作品。中国版「喜びも悲しみも幾歳月」というところだが、家族の物語だけでなく、政治に運命を左右された中国人の近代史も描いた大作でした。

4.レヴェナント: 蘇えりし者

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イニャリトゥ監督のアカデミー監督賞を2年連続で受賞となる作品。西部開拓時代を舞台にした大スペクタクル映画。とにかく壮絶。ディカプリオの鬼気迫る演技も素晴らしかった。

5.チップス先生さようなら

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教職に馴染めず、生徒との向き合い方に迷う若きチップス先生。教職の苦労、喜びや悲しみが伝わる感動作でした。チップス先生の25才から83才までを演じたロバート・ドーナットの演技が素晴らしい。

6.去年マリエンバートで

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時系列がバラバラで、すんなり理解できない難解な作品ですが、スタイリッシュな映像と謎めいたシーンが、後からじわじわと来ます。印象的な作品でした。

7.ミツバチのささやき

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スペインの名匠ビクトル・エリセ監督の作品。スペインの田舎に起きた現実と幻想の入り混じる物語。作品に漂う、死と静寂、孤絶感は、当時の独裁政権下のスペインを象徴という技法で表現したと言われています。この作品も後からじわじわと来ます。

8.水の中のナイフ

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ロマン・ポランスキー監督の長編デビュー作。ヨットという密室を舞台にしたサスペンス作品だがヒチコックのようなテクニックとヌーヴェルヴァーグ的なセンスを感じさせる才気あふれる作品でした。ラストシーンが印象的でした。

9.たちあがる女

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アイスランド、ベネディクト・エルリングソン監督の作品。過激な環境活動家を主人公にした作品。コメディーですが、笑ってすまされない環境問題。この時代の問題をユーモラスな語り口で映した良作でした。

10.ブランカとギター弾き

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写真家として活躍する長谷井宏紀がイタリア製作映画として手がけた監督デビュー作。監督が写真家だけあって絵が綺麗。子どもたちが実に生き生きとした名演技でした。

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今年もたくさんの名画に出会えました。😊

おしまい

雑記:今年読んだ漫画とか〜②

最後まで読まないで終わった漫画…

世間の話題についていこうと読み始めたが、好みに合わず中断している作品。

呪術廻戦

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一〜二巻を読んで、作品の世界観や呪術の設定が面倒くさくなりました。ジャンプ王道のバトル漫画ですが、シリーズ累計6000万部を突破するほど売れているそうですが、序盤だけ読む限りではそれほど面白いとは思わないのですが…完全に取り残されました💦

東京卍リベンジャーズ

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アニメ化、実写化と大人気なので読み始めたのですが、いきなりタイムリープものと分かり読む気がなくなりました。タイムリープって一番安易なSF設定だと思うのです。SFとヤンキー漫画の組み合わせは斬新ですが、過去に遡ってまでヤンキーやりたいとは思わないだろう。

転生したらスライムだった件

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これは第一話でやめました。転生ものとか異世界ものとか、東京リベンジャーズもそうなんだけど、今の世の中、人生やり直したい人ばっかりなんですね。😞

プラチナエンド

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名作「デス・ノート」の小畑 健と大場つぐみによる作品。次の神の地位を競い、この世に降臨した天使たちが主人公らと共に戦う(ガッシュみたいな)内容です。クオリティは高いですが天使って死神ほど面白くないですね。

ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン

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今さらですが、ジョジョシリーズの中で最後まで読まなかった作品です。(結局、数年前に読了しましたが)好きになれないままです。

今年、アニメ化するのなら、荒木飛呂彦のスタンドでラストを書き換えてくれないかなと思います。

おしまい

雑記: 今年読んだ漫画とか〜①

今年読んだ漫画。

辛口コメント🌶も書きます。

金色のガッシュ‼︎ 

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王道の少年漫画。主人公の熱さが良かった。キャンチョメやウマゴンなど、ゆるキャラのギャグも面白かったな。👏

邂逅編、石版編、ファウード編、クリア・ノート編と話しが進むにつれ、ダーク・ファンタジーになっていく。デュフォーやクリア・ノートなどニヒルなキャラは作品の雰囲気には合わない。鬱な気分になる。🌶

どうぶつの国

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弱肉強食の「どうぷつの国」を変えようとする主人公のヒト。何か社会的なテーマがあるのかと思わせながら、上手くまとらずに、最後はお得意のSFバトルで終わる。意欲作ながら世界観が定まらず残念。🌶

六道の悪女たち

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ブコメ+ヤンキー漫画。陰陽師の巻物で悪女にモテモテに。都合の良い設定に呆れますが、作品が進むにつれ主人公が逞しくなりラストでは術の解けた乱奈と結ばれます。割と王道の少年漫画でした。👏

祖先の陰陽師が子孫に術を託した理由、乱奈の出世の秘密など伏線があると、もっと面白かったかな。

犬屋敷

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宇宙人の事故で無理矢理ロボットにされた年寄りと若者のSFバトル。大友克洋の「童夢」を思い出させる作品でした。緻密な絵柄やSFガジェットが良かったです。👏

「誰が為に編」はなんか寂しいね、あのエピソードは蛇足のような気もしました。🌶

ザ・ファブル

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組織のボスから、一年間、普通の生活をしろと命令された天才的な殺し屋が事件に巻き込まれるコメディ漫画。キャラクターやストーリー作りが上手く、今年、読んだ漫画の中で一番面白かった。👏

大団円で終えた第一部なのに、読者の人気から続編が再開されました。「第二部が無い方が良かった」とならないか心配しながら読んでいます。🌶

蟻の王

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この作品はまだ完結していません。破天荒な登場人物が魅力的ですが、中国やアメリカの蟻の王まで登場してきて、ストーリーが収集不能になりそうな予感がします。🌶

ドラゴンヘッド

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圧巻の画力で面白く読んだけど、登場人物の行動に説得力がないんだよね。🌶

ノブオも狂っていたが、食糧や装備も整えずに危険な東京に向かうテルやアコもおかしい。アコ(中学生)の尻を追い危険な旅に付き合う自衛官もアホ。まともなヤツが一人もいないぞ…。

極主夫道

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面白かった。シュールなオチが良いが、7巻まで読んだらさすがに飽きてきた。ギャグは消費期限が早いんだよね。人気ですぎ🌶

おしまい

漫画 : ドラゴンヘッド

ドラゴンヘッド  著者/望月峯太郎

物語

修学旅行の帰途、突如発生した大地震により、主人公青木輝(テル)らの乗車していた新幹線は浜松付近のトンネルで脱線事故を起こしてしまう。出入り口は崩壊し、外界と完全に遮断されたトンネル内で、3人の生存者、テル、アコ、ノブオは救助の可能性に望みをかけて絶望的な状況を生きのびる術を模索する。

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週刊ヤングマガジンに1994年 - 1999年に連載。
1997年、第21回講談社漫画賞一般部門受賞。累計発行部数650万部を記録。単行本全10巻。

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漫画は小説と同じく自分のスピードで読み進める楽しみがあっていいですね。漫画アプリでコツコツと読んで全10巻を読了。

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富士山噴火による大地震が原因と思われる災害に遭遇した主人公らが荒廃した絶望的な状況下で、安否の分からない家族と会うために東京へ向かうサバイバル・ホラー・サスペンス。説明が難しいですが、ざっくり、「漂流教室」と「サバイバル」と「AKIRA」をミックスしたような漫画でした。

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龍頭(ドラゴンヘッド)と呼ばれる人間が出てきます。脳手術により恐怖を感じなくなった人間なのですが、彼らドラゴンヘッドを生み出した宗教団体がこの大災害の発生に深く関係していたようです。(と言いながら最後まで、ハッキリした謎解きはありませんが…。)

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壮絶なエンディング。伏線とか回収せずに終わりますが、きれいにまとめるよりインパクトがあって良かったかな。

今年の漫画読書 7作品目。

幸福の黄色いハンカチ

幸福の黄色いハンカチ   1977年

山田洋次監督

物語

失恋して自棄になった欽也は、会社をやめ、退職金で新車を購入、北海道へドライブの旅に出た。網走に着くと手当たり次第に軟派して、同じ失恋の痛手を持つ朱美を引っかけた。それから、海岸で炭鉱夫を名乗る中年男・勇作と知り合い、3人で旅することになる。しかし、勇作には6年3ヶ月の刑期を終え出所したばかりという秘密があった。

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刑期を終えた男が妻のもとへ向かうロードムービー。主演、高倉健、共演に、倍賞千恵子武田鉄矢桃井かおり

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ラストシーンが有名(タイトルにもなっています)でネタバレ的なところがありますが、筋書きがありそうでないのがロードムービー高倉健武田鉄矢桃井かおりの3人の珍道中が面白い。

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大衆車のファミリアで北海道を走る。ラジオから流れるピンクレディーの歌。時代を感じさせます。1977年、今はもうない北海道の風景がなんとも言えない。

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出所して初めて飲むビール、カツ丼とラーメンを頼んで食べる。高倉健はこのシーンの撮影のために2日間、絶食したそうです。

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武田鉄矢桃井かおり。当初朱美役は山口百恵を想定していたとか。桃井かおり武田鉄矢の若いカップルは、高倉健倍賞千恵子の大人のカップルを対照的に引き立てていました。山田洋次監督の技ですね。

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どーして、今まで観てなかったのだろう。素晴らしい映画でした👏。ロードムービーとしても今まで観た作品で最高。

※今年81本目の映画鑑賞。

君が描く光

君が描く光       2016年

チャン監督

物語

済州島の町で伝説の海女して知られるケチュンと孫娘のヘジは、お互いを見守りながら平和に暮らしていた。 そんなある日、ひょんなことから最愛の孫娘が失踪してしまう。 ヘジを探すために全力を尽くしたケチュンは、12年の歳月をかけてヘジを探し出す。 

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韓国映画。ユン・ヨジョンとキム・ゴウンの二人の実力派女優が共演。第29回 東京国際映画祭 『アジアの未来』部門選出作品。

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小さな頃に行方不明になっていた孫が12年の時を経て再開を喜ぶケチュンおばさん。ヘジは行方不明の間に起きたことを語ろうとはしなかった…。

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この映画、普通にヒューマンドラマかと思って観ていたのですが、しっかりミステリーの仕掛け(ネタ)があります。

僕的には普通に、祖母と孫娘が12年の隔たり埋めていくような温かなドラマの方が良かったのですが…。

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K-POP人気アイドルグループSHINee(シャイニー)のミンホさん(だそうです。)映画では"妙に"イケメンで浮いていました。

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御涙頂戴!

言ってしまえば、それまでですが、しっかり泣ける映画でした。🥲 なかなか良かった。

※今年80本目の映画鑑賞。