拳銃無宿 1947年
ジェームズ・エドワード・グラント監督
物語
トゥームストーンの決闘でクラントン一家と戦ったカート・エヴァンスはその後行く先々で悪事を働き、更に有名になっていた。ある日悪党同士の撃ち合いの末、カートは傷を受けほうほうのていで逃げ、途中落馬し気を失ってしまう。そこへ通りかかったのが、クェーカー教徒の父と娘。教えに従って2人は彼を助ける。悪党と知りながらも、カートの看病をする娘ペニーはいつしか彼に魅かれていく。カートの方も満更ではなかった。が、土地の件でもめていた悪党ラレド一味が彼の行方を追って迫っていた。
原題は”Angel and the Badman” 「天使と悪党」。ジョン・ウェインが自らのプロダクションで制作した。
DVDに淀川長治さんの映像解説が入っていて、この映画はジョン・ウェインの映画なんだけど、当時、人気が最高だったゲイル・ラッセルを目当てに観に行った人が多いと言っていました。
また淀川さんは、アメリカの劇場で、中年のおじさんが、ジョン・ウェインのタイトルが出るとみんな手を叩くのに驚いたとも言っていました。アメリカ人にとってジョン・ウェインは国旗、アメリカの魂のような男だそうです。
早撃ちガンマンとして恐れられたカート・エヴァンスが怪我をしてクェーカー教徒の家で介抱されて、そこの娘ペニーと恋に落ちます。
カートは悪党ラレド一味に狙われているのですが、クェーカー教徒は暴力を禁止していて、ペニーの手前、銃で決着をつけることが出来なくなります。
ある日ラレドらに追われて、馬車ごと川に落ちてしまいます。ペニーが高熱から瀕死の状態になってしまい、カートは復讐のためラレドとの対決に向かいます。
ラブコメみたいな作品です。誰もが恐れる伝説のガンマンのカートが、小娘ペニーの言いなりなってしまうのが可笑しい。
この映画、西部劇なのにジョン・ウェインは一回も銃を撃っていません。邦題は「拳銃無し」だったかな?
※今年48本目の映画鑑賞