ポ-の一族 萩尾望都
小学館文庫 全3巻
物語
永遠に年を取らず生き永らえていくバンパネラ“ポーの一族”。その一族にエドガーとメリーベルという兄妹がいた。19世紀のある日、2人はアランという名の少年に出会う…。バンパネラとなった少年らが200年以上にわたりヨーロッパ各地をさすらう様を描く。
1972年2月から1976年5月にかけて主に「別冊少女コミック」に連載され、1974年に発売された単行本は初版3万部が3日で完売するほどの人気となった。1976年、小学館漫画賞少年少女部門を受賞している。
「ポーの一族」タイトルからいい。
漫画は各話読切のオムニバス形式で構成されているが、各話で時系列が前後するのでストーリーがわかりにくい。(みんな、そう思うらしいので気にしない。)
内容は純然たるファンタジーで難解ではない。バンパネラ(吸血鬼)になった少年の物語である。
この漫画を読んで、「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(ブラット・ピット、トム・クルーズ主演)を思い出す。
この映画の原作小説は「夜明けのバンパイア(アン・ライス著)」だが「ポーの一族」に似ていると思ったのは僕だけではないらしくパクリ論争まであった。執筆時期などから判断すると類似は偶然の一致であるようだ。
しかし、世界的に評価されハリウッドで映画化までされた名作に勝るとも劣らないゴシック作品が、まだ23歳の萩尾望都によって創られ、少女漫画誌に掲載されていたのは驚きだ。萩尾望都は同時期に「トーマの心臓」も発表している。桁違いの才能だ。
おまけ
どうしてもギャグに見えてしまう…。(これをパタリロがパロった訳ですが。)
※今年の漫画読書 15本目