恐怖の報酬 1953年
アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督
物語
出身国で食い詰めて、南米の田舎町に流れてきた男たち。希望のない日々を送っていたある日、500キロ離れた油田の火災を消す為に、爆発の危険を抱えながらニトログリセリンをトラックで運ぶ仕事が持ち込まれる。山道や凍った道など険しい道中、揺れてこぼそうものなら大爆発は確実。成功報酬は一人2000ドル。かくして2台のトラックに分乗した命知らずの4人の男たちは、トラックに満タンのニトロを積み込み出発した。
イブ・モンタン主演。カンヌ国際映画祭にてグランプリ、ベルリン国際映画祭で金熊賞をダブル受賞した。1977年に「フレンチ・コネクション」「エクソシスト」のフリードキン監督によってリメイクされた傑作。
前半は、中米ベネズエラに流れ着くが、金も仕事もなく身動きの取れなくなった男達のドラマが描かれる。少し長いが、後半のニトロを運ぶサスペンス劇での心理描写に繋がる。
ニトロを運ぶ後半のハラハラドキドキは凄い。デコボコの悪路に、崖ぷっちの急カーブ、道の真ん中に転がる巨石、パイプラインが壊れて出来た油の池など、次から次へと難所が訪れる。
後半のマリオとジョーのドラマがいい。148分の長尺で最近の映画に比べるとテンポは悪いが、じっくり見応えのある内容でした。
※今年209本目の映画鑑賞。