銀座二十四帖 1955年
川島雄三 監督
物語
思い出の画家を見つけ出すため、銀座の画廊に自分の少女時代の肖像画を陳列した人妻の和歌子。偽者ばかりがやってくるなか、銀座の顔役で花屋を経営しているコニーが協力して…
週間朝日連載の井上友一郎の小説を川島雄三監督が映画化。助監督に今村昌平。主演は三橋達也、月丘夢路、北原三枝ら。
文芸ものかと期待させるが、肖像画に書かれたG.Mのイニシャルの男を探すミステリー小説の展開。少し残念。しかし銀座や当時の風俗を鮮やかに映し出していて素晴らしい。惹きつけられます。
この映画が公開された頃、日本は神武景気の真っ只中。戦後10年、復興を果たした日本社会の自信や明るい雰囲気が伝わってきます。
三橋達也が演じるコニー。銀座を愛し、街に汚すポン(覚せい剤)の蔓延を憎む正義漢。ファッションもモダン。
ヒロインの月丘夢路と、姪役の北原三枝。月岡夢路は着物姿が似合う艶っぽい女性。北原三枝はアプレゲール(戦後派)というところ。
少女時代の浅丘ルリ子さん。デビューしたての頃です。
映画の中でも銀座を描く画家が登場しますが、この映画は当時の銀座や風俗を見事にスケッチしていますね。川島雄三監督はやはり巨匠だと思いました。
※今年40本目の映画鑑賞。