僕が持っている「映画の友」の紹介。まだ観ていない名画がたくさんあるのが嬉しい。
この本は淀川さんの自選ではありません。「淀川長治 ベスト1000」という本から、編者が淀川さんが好きそうな100本をチョイスしたものです。しかし、淀川さんって何万本の作品を観たのでしょうかね?
淀川さんは、日曜洋画劇場の解説ではどんな作品も褒めていますが、書評では厳しいことも言っています。そんな諫言も含め映画に対する愛情がハンパでなく、未だ、他の評論家の追随を許しません。
黒澤明が選んだ100本の映画 (文春新書)
黒澤監督は作り手視線の評論。例えば「第三の男」だと、「複雑なストーリーをきちっと映画にしている。キャメラは本当に素晴らしくてね。実にキャメラワークの勉強になったし、上等な作品だよ。」という具合です。
「スコセッシは人間としても素晴らしい」など監督本人の交流による人柄紹介も興味深い。
黒澤さんは「淀川さんが一番いいね。純粋に映画を楽しんでいる。映画は理屈じゃないんだよね」と淀川さんの映画に対する姿勢を褒めています。
ご自身については、「いい映画を観ると興奮してね、もう帰りに一杯呑みにいこうって。ようやりやがったな、と思って、こちらも刺激されてすごく張り切るんですよ。だけど変な映画観ちゃうと間違って俺もこんな映画撮っちゃったらどうしようと、すごく臆病になるね。なんか悪夢観てるみたいでね。」と語っています。
職業柄、淀川さんほど映画を楽しめなかったかもしれませんね。
最後に、淀川さん黒澤映画を語る。
(貴重なインタビューですね)
おしまい。